React初心者がつまずきやすいポイントとその解決策


はじめに

Reactは、動的なUIを効率的に構築できる強力なライブラリですが、初心者が最初に学ぶ際にはいくつかのハードルがあります。本記事では、Reactを学習するうえでつまずきやすいポイントとその解決策について解説します。

Babelでのトランスパイル環境の構築

ReactのJSXをブラウザで動かすには、BabelでJavaScriptに変換(トランスパイル)する必要があります。しかし、Babelの設定やビルド環境の構築が初心者にとって難しく感じることがあります。

解決策としてCDNを利用して簡単に動かす方法もありますが、本格的な開発ではWebpackやViteなどのツールを活用してトランスパイル環境を整えるのが一般的です。

Babelとは

Babel(バベル)は、最新のJavaScriptコードを古い環境でも動作するように変換(トランスパイル)するツールです。特に、JSX(Reactの構文)やES6+(最新のJavaScript機能)を、古いブラウザが理解できる形に変換するためによく使われます。

Babelの使用方法

簡単な導入(CDNを使う方法)

Babelをブラウザで動かす最も簡単な方法は、CDNを利用することです。

<script src=”https://unpkg.com/@babel/standalone/babel.min.js”></script>
<script type=”text/babel”>
const App = () => <h1>Hello, Babel!</h1>;
ReactDOM.render(<App />, document.getElementById(‘root’));
</script>

type=”text/babel” を指定すると、Babelが自動でJSXを変換してくれる。

本格的な導入(開発環境)

本格的な開発では、Node.jsをインストールし、Babelをセットアップします。

npm install –save-dev @babel/core @babel/cli @babel/preset-env @babel/preset-react

次に、.babelrc ファイルを作成し、以下の設定を追加します。

{
“presets”: [“@babel/preset-env”, “@babel/preset-react”]
}

この設定により、Reactと最新のJavaScriptをトランスパイルできるようになります。

Babelのまとめ

Babelは最新のJavaScriptやJSXを古いブラウザ向けに変換するツール。ReactのJSXを使うには、Babelが必要です。
CDNを使えば手軽に導入できるが、本格的な開発ではnpmを使って環境構築する。
React開発ではほぼ必須のツールなので、しっかり押さえておきましょう。

JSXの理解と使い方

JSXはHTMLのような構文ですが、JavaScriptの記述ルールに従う必要があります。例えば、class属性ではなくclassNameを使うなどの違いがあります。
公式ドキュメントを読みながら、基本的なJSXの書き方を理解しましょう。また、JSXは最終的にJavaScriptに変換されるため、どのような形に変換されるのかを意識すると理解が深まります。

状態管理(useState, useEffect, Redux)

Reactでは状態(state)を適切に管理しないと、コードが複雑になりやすくなります。useStateやuseEffectの使い方を理解しないと、無駄な再レンダリングが発生することも。
まずは、useStateとuseEffectを正しく理解し、それでも管理が難しくなってきたらReduxやContext APIの導入を検討しましょう。

jQueryとの併用

既存のjQueryプロジェクトにReactを導入しようとすると、DOM操作の競合などで混乱することがあります。

jQueryのdocument.getElementById()のような直接的なDOM操作は極力避け、Reactのstate管理に置き換えるのがベストです。ただし、どうしてもjQueryを併用する必要がある場合は、useEffectで適切なタイミングでDOM操作を行うようにしましょう。

パフォーマンスの最適化

Reactアプリはコンポーネントが増えると、再レンダリングによるパフォーマンス低下が起こることがあります。
React.memoやuseMemo、useCallbackを適切に活用し、不要な再レンダリングを防ぎましょう。また、リストを表示する際にはkeyを適切に設定することも重要です。

Next.jsやSSR(サーバーサイドレンダリング)

通常のReactはクライアントサイドレンダリング(CSR)ですが、SEOやパフォーマンス向上のためにサーバーサイドレンダリング(SSR)を導入したくなる場面があります。
Next.jsを使うと、SSRやSSG(静的サイト生成)を簡単に実装できます。状況に応じて使い分けるとよいでしょう

おわりに

Reactは学習コストが少し高いですが、一度理解すれば強力なUIを構築できます。本記事で紹介したポイントを意識しながら、効率的にReactを習得していきましょう。

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