台湾で発生した無差別襲撃事件をきっかけに、「台湾の兵役制度」や「中国には徴兵制があるのか?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
本記事では、台湾と中国の兵役・軍人制度を比較しながら、日本との違いも含めて分かりやすく解説します。
台湾には強制的な兵役がある
台湾(中華民国)では、現在も男性に対して兵役義務があります。
2024年以降、兵役期間は原則1年間に延長され、対象となる男性は一定期間、軍に所属しなければなりません。
兵役中は基本的に部隊や基地に配属され、平日は営内(寮)で生活します。
自宅から通えるケースはほぼなく、事実上の集団生活になります。
兵役中の給与は出るが「公務員給与」ではない
台湾の兵役中には月給(手当)が支給されますが、一般の公務員給与とは別体系です。
法的には「現役軍人」として扱われ、軍人向けの給与・保険制度が適用されます。
金額は最低賃金より低めですが、近年は引き上げが進められています。
とはいえ、キャリア形成という点では不利になることもあり、若者の間で兵役は必ずしも歓迎されていません。
一方、中国には強制的な徴兵制はほぼ存在しない
中国(中華人民共和国)にも法律上は徴兵制度がありますが、実際には「強制的に徴兵される」ケースはほとんどありません。
その理由は単純で、中国人民解放軍は「志願者が多すぎる」状態だからです。
中国では軍人が人気職業になっている
中国では軍人という職業が非常に安定しており、社会的地位も高いとされています。
特に以下の点が大きな魅力です。
- 安定した収入と福利厚生
- 医療・住宅・年金などの優遇
- 除隊後の就職で有利
- 共産党員への登竜門になる
そのため、特に農村部や地方出身の若者にとって、軍人は「人生を変える職業」として非常に人気があります。
農村部出身でも軍人になるのは難しい?
中国では「戸籍(戸口)」制度により、都市部と農村部で就ける職業や待遇に差があります。
しかし、軍人は例外的に戸籍の壁を突破しやすい職業の一つです。
農村部出身者でも、軍で実績を積めば都市戸籍の取得や安定した将来が見込めます。
そのため、農村部出身の若者ほど軍人志望が多い傾向があります。
中国軍の倍率はどれくらい高いのか
中国人民解放軍の志願倍率は公表されていませんが、報道や研究では以下のように言われています。
- 一般兵士でも数倍〜10倍以上
- 人気部隊や技術職では20倍以上になることもある
つまり、中国では「軍人になりたくてもなれない人」が大量に存在しているのが現実です。
日本との対比:中国と日本の決定的な違い
日本では自衛隊に対して「危険」「給料が安い」「将来性が不安」といったイメージが根強く、
若者のなり手不足が問題になっています。
一方、中国では軍人は社会的に尊敬され、出世や安定につながる職業として認識されています。
この意識の差が、倍率の差としてはっきり表れています。
まとめ
台湾は強制的な兵役があり、若者にとって負担になりやすい制度です。
一方、中国は事実上の志願制で、軍人が人気職業のため徴兵に困ることはありません。
同じ「軍事大国」でも、制度設計と社会的評価の違いによって、若者の意識は大きく変わります。
兵役や軍人制度は、その国の社会構造を映す鏡とも言えるでしょう。





