近頃になって数学が嫌いだった人や大学で数学離れした人達が数学をやり直したいという方が増えています。
都内のカルチャーセンターの話では数学の特に微分積分からやり直したいという中年からシニアの方が多いそうです。
いったい、なぜ数学をやり直したいと考えるようになったのでしょうか。
これには、3つ理由が考えられます。
1つ目はプログラミングが一般家庭で行えるような環境になってから、3Dグラフィックやゲームなどの制作に携わる人が増えているからです。
3Dグラフィックでは物体が動くため、物理学や空間座標上での線形変換がどうしても必要です。
また、ゲームにおいても同様にアルゴリズムの考えから代数を勉強すると有利だといわれています。
心臓の模型を3Dグラフィックした東京大学の学生さんも大学で学ぶ数学が必要不可欠だったそうです。
2つ目は数学の体系化が進んでいることです。
具体的には数学の教科書やら数学専門のアプリなどが発達し、まるで高校のテキストのように習いやすくなったからだと思います。
数学の専門塾も増えているなか、大学の領域まで教えるということが科目を体系化したおかげで可能になったからです。
例えば、微分積分と線形代数は教養課程、それ以上の微分方程式や複素数などは更に上の段階で学ぶといった体系化です。
3つ目は経済学部や法学部などで数学は好きだけれど大学で勉強できなかった、だから勉強したいという人が多いです。
たいていの場合、数学好きな人はそのまま素直に数学の研究者や講師になれるほど、専門性は高くありません。
しかし、近年増えているオンライン講師や数学塾といったサービスが数学を活気づけています。
また、加えて数年以内に国立大学の文系科目の学科が廃止される予定であることから、理系の学生が多くなる時代であることも影響しているように思います。
また数学の検定で有名な財団法人数学検定も問題を刷新しており、以前の試験より問題が難しくなりました。
このように、数学やその他の理系科目に力を注ぐ国の指針が数学をやり直したいという方が増える傾向につながっていると思います。
ただ、体系化された数学でも大学で学ぶ数学は中堅クラスの大学受験より難しく、時には英語の知識が必要になったりもします。
もし中学数学からやり直したい、高等数学の復習をしたいといった程度であれば授業料が高額なことからオススメはしません。
ですが、数学好きな才能をこのまま眠らせるよりはいつか開花させたいという方は是非門を叩いてみて欲しいと思います。