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49.太陽にバケツで水をかけたらどうなる?


49.太陽にバケツで水をかけたらどうなる?

太陽にバケツで水をかけたらどうなるでしょう?
いつの日か太陽の光も消滅するときがやってきます。もし太陽がなくなったら、地球はどうなるでしょう。答えは考えるまでもありません。地球は滅びてしまいます。それは壮絶な最期になるでしょう。あなたはその時を見たいですか?残念ですが、その時まで私たちが生きていることはありえないので、それは無理でしょう。なぜ、誰も死ぬ前に太陽の光を消そうとしないのでしょうか。もし、巨大なバケツで太陽にたっぷり水をかけたらどうなるでしょう。

太陽の光は消えるのでは?太陽が毎日私たちに送っている光をひとまとめにすると、およそ170兆キロワットの電力が降り注いでいることになります。想像を絶するほどの大量のエネルギーです。人類が、ありとあらゆる形で利用しているエネルギーの1万倍です。しかし、太陽が宇宙に放出しているエネルギーと比べると微々たる量です。全体として太陽は20億以上のエネルギーを放出しています。
相対性理論によると、あらゆるエネルギーの消費に伴い質量も減少します。例えるなら、太陽はメタボな人がトレッドミルで走ることで刻々と減量していくようなものです。およそ40億トンも。簡単に言うと、太陽は燃えることによって消えていくのです。より正確には、水素の核融合によってエネルギーを生産しているのです。もし、太陽が地球の質量であったなら、5万年もの間、燃え続けることになります。しかし、これがもし。実際は太陽の質量は全太陽系の質量の99.86%です。これは、毎秒、水素約7000億トンを燃やしながら太陽が100億年燃え続けることができるほど大量なものです。人類が調査している月の地質と隕石の鉱物の年齢に従えば、100億年のほぼ半分が過ぎたことになります。私たちの子孫は、この恐ろしい大変動をどのように回避するのでしょう。その答えを見つけ出すまでに、今のところ50億年以上の猶予があります。その時、何が起きるのでしょう。言い換えると核融合炉の炉心に、燃料、すなわち水素が尽きたときに何が起こるのでしょうか。

太陽は自らの質量を減らしながら、宇宙にエネルギーを放出して戻ることのない大量のエネルギーを生産しています。全てのものには終わりがあります。そしていつか、水素という種類の燃料も尽きて、太陽の光は消えてしまいます。しかし、私たちがこの光景を見ることはありません。太陽が消滅するまでには、まだ時間があります。

ここで1つの疑問が生じました。もし太陽にバケツで水をかけたらどうなるでしょう。先ほど言ったように消えてしまうのでしょうか。第一、このようなサイズのバケツを見つけるのは容易ではありません。しかし、もし仮に私たちにバケツがあり、水があり、これら全てを太陽系の中心に運べるとしたらどうなるでしょう。
このような疑問に正確に答えることのできるのは、特殊なコンピュータープログラムを持った天体物理学者だけです。なぜなら、自然界には似たような現象は起きないし、生じたことも、今後生じることもないからです。通常地球上では、物体は酸化反応により燃えます。この反応のためには、3つの要素が必要です。燃料、大気、そして高い温度です。もし燃えている物体に水を注ぐと、表面に水の層ができて火は消えてしまいます。しかし、宇宙では全てが全く異なります。宇宙には大気がありません。太陽での核融合反応を水で止めることはできません。どれほど大量の水であっても、太陽の内部で核融合が進行している間は消すことができません。通常、星は酸素をつくる前に大量の炭素を生み出します。バケツの水には、ただ酸素と水素があるだけです。簡単に言ってしまえば、太陽は水を燃やすことができるのです。太陽に向けて巨大なバケツの水をひっくり返したら、太陽の光を消すことはできるでしょうか。いいえ、太陽は別の型の核融合を利用しながら、さらに燃え続けます。

放射スペクトルの中で、紫外線の光波が大きくなり、明るさは今の太陽の6倍を上回ります。水は89%の酸素からできています。太陽の質量の平均密度は、大体、水の密度の1.5倍です。このため、太陽に等しい容積の水の量は、太陽の質量の0.71倍の質量を持っています。その結果、従来の天体のほぼ2倍の重さを持ち、48%の水素、14%のヘリウム、37%の酸素から成る新しい星が誕生するでしょう。

もし、宇宙バケツで太陽に水を注ぐことができたとしても、残念なことに、あるいは幸運なことに、私たちは太陽の光が消える様子を見ることはできません。恐らく、太陽の2倍の大きさの新しい星の誕生が観測できますが、それはまたの機会にご紹介するとしましょう。

今回の知的好奇心をくすぐる考察いかがでしたでしょうか?そして、太陽の光を長時間見てはいけません。目が痛くなりますよ^^